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おれんじ姫の物語【第3章】

おれんじ姫の物語【第三話】

■□オレンジ姫の物語□■

・-*-*-*-*-*-・
前回までのあらすじ
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洋風店を経営しているあらいぐまのマダムニコールのお店までついてきてしまった、オレンジ姫!
木の陰に隠れていましたが見つかってしまいました。
ペパーミントとジンジャーは大慌て!このとこがオレンジ王国の王様に
見つかってしまったら大変です!
夜が明ける前に、オレンジ姫をお城に送り届けねばなりません。
マダムニコールのとっさにひねり出したアイデアをみんなに提案します。


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☆  第3話  ☆
┼───────┼

オレンジ姫は部屋の隅でコチコチに固まっていました。

ただ好奇心が過ぎただけの行動が、とんでもない問題を引き起こしそうに
なっているのです。



行き場のない表情をしたオレンジ姫を見て、マダム二コールが優しく声をかけました。

「お姫様、もうこんなことをしてはだめですよ」

マダムニコールの意外な優しい言葉に、

緊張の糸が一気にほぐれ、オレンジ姫の目から涙がぽろぽろこぼれはじめました。

「ごめんなさい・・・わたし・・・」そう言いかけたオレンジ姫に

「あらあらあら、可愛いお顔が台無し、さあさ、涙をおふきなさい」

涙でびしょびしょのほっぺたを拭いながら、

「そう、みんなお姫様の味方ですよ。

いつも感謝を忘れないお気持ちが大切です。もう分かりましたね」



マダムニコールは、うなずくオレンジ姫を軽く抱きしめてから、
ペパーミントとジンジャーに言いました。

「さあ!そろそろ出発だよ!、支度はいいかい?」

漆黒の闇の中を一つのランプと6つの目が光ります。



先を走るのはペパーミント、その後を追うのはオレンジ姫を背負ったジンジャー。

二人の目つきはお城でみる優しい目ではありませんでした、

初めてみた二人の表情に何も言えないオレンジ姫。

うっそうと茂る森の中、縦横無尽に伸びる枝葉
とあちこちに飛び出す岩を見事にかわし、3人は進みます。

「大丈夫?ジンジャー?」それでもオレンジ姫は
ジンジャーを気遣って声をかけました。

「ええ、平気ですよ、お姫様こそ大丈夫ですか?」

「ええ・・・でも・・腕がしびれてきそう・・」

オレンジ姫が言いかけたとき、視界が急に開けました。




月に照らし出されたそこは、海を見下ろす崖の上です。

「早かったな、おいらも今来たところだ!」空からバロンの声がしました。



「ここからちょっと大変だけど、あと少しの辛抱だからね!」

「ああわかってる」ペパーミントもジンジャーももう泣き言はいいませんでした。

事態を打開できるのは、もう、自分たちしかいないのですから。



前にいたペパーミントがランプの明かりを消したかと思うと、

オレンジ姫の視界から、フッと見えなくなりました。

あっと思った瞬間、ペパーミントが声をかけました。

「お姫様!、しっかり私の背中につかまっていてくださいね!」

ジンジャーが叫んだかと思うと、滝から落ちるようにポーンと崖の上から急降下。

崖の出っ張った岩や、生えている木の枝に巧みに飛び移りながら、

ペパーミントと姫を背負ったジンジャーは下へ下へと降りてゆきます。

「ビリッ、ビリッ!」ドレスの裾がゴツゴツした岩肌や木の枝に擦れて
裂ける音がします。



オレンジ姫はもう怖くて目を開けられず、ジンジャーにしがみついていました。

再び目を開けたときには、もう平らな道。バロンとペパーミントが前方にみえます。

その先に明かりの点いている小屋が見えました。

ザァー ザザァー

さざ波の音が聞こえてきました。



暗闇の中にまあるい光がぼんやりと輝いてます。

どうやらあれがオパールとジュリーの家のようです。

***つづく***


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おれんじ姫の物語第4章

■□オレンジ姫の物語□■

ペパーミントに続いて中に入ると、そこはこじんまりとしたカフェ風の佇まい。

窓やドアは2重になっており、中は吹きさらしの潮風から良く守られているようです。

「よくきましたね、さあお座りください」オパールが皆を招き入れました。

その後ろからジュリーが入ってきました「姉さん、カヌーは浜辺に準備したわ、月も出ているし

波はとても穏やかよ、この様子ならお城まではそんなにかからないわ」

「あの崖を降りてきたの?、二人とも、運動神経が良いって噂は本当だったのね」オパールはそ

う言いながらバロン、ペパーミント、ジンジャーにミルクを差し出しました。

もちろん、オレンジ姫ににも気遣いを忘れません。

「初めましてお姫様、私はオパール、こっちは妹のジュリー、こんな小さな家を見るのは初めて

でしょう、よくここまでがんばりましたね、ミルクは飲めますか?」

姉妹とも、素朴で優しい子たちのようです。

少し熱めのミルクをふぅふぅさせて、オレンジ姫はコクンコクンと喉を鳴らしながら飲み干しま

した。

ゴツゴツしたカップを不器用な手つきでテーブルに置くと、オレンジ姫は考えました。
ビックリしどおしで怖い思いもしたけれど、全てが初体験だった一晩の出来事が、ひとつづつ頭

の中によみがえってきました。

ジンジャーはもう、いつもの優しい目つきに戻っていました。

 

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