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深緋色(こきあけいろ) 茜の下染めに紫根を上掛けした、紫がかった暗い赤を言う。緋色はもともと黄色みのある赤ですが、さらに深くして黒味がかった色です。 |
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緋褪色(ひさめいろ) 緋色のあせたような、鈍い調子の赤系の色を言います。古代から赤には厄除けの信仰がありました。従者など比較的身分の低い人も着用が許されていました。 |
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韓紅色(からくれないいろ) 紅花の濃染による鮮明な赤色、紅の赤さを強調するときに使われた色名です。もともと紅花は古代には舶来染料でした。 平安時代に王朝貴族のあいだではその人気と高価さは最高潮だったようで、金と同じ目方で取引されていたそうです。韓紅とは舶来と意味合いが強く、「涙の色も紅く染まる」と歌に詠まれるほど羨望の眼差しを集め、高貴な色とされていました。紅を幾度も重ねて染める「深紅」とほぼ同じ色をさします。 |
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ガーネット 神秘に満ちた美しい響きのある色名ですが、ざくろ石のような深い赤い色をさします。ワインレッドの赤にも近いのですが、それよりもやや青みがかっており口紅の色として見かける色です。 |
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紅樺色(べにかばいろ) 淡い藍の下染めに紅花を上掛けした、紅梅の花の色に似て、かすかに紫色を含む淡い紅の色を言う。 |
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銀朱色(ぎんしゅいろ) その文字通り、朱に銀を混ぜたような色。朱よりまろやかで上品な印象を与える色です。「銀朱」の名は、その顔料が水銀よって製造されることから来ており、水銀と硫黄を加熱昇華させて作られた人工朱です。原料となる硫化鉱物は日本国内でも多く産出されます。朱は太古の倭国の時代から存在し、三世紀頃の魏使による記述には「倭人は中国人が白粉で化粧するように、朱で身体を塗って飾り立てている」とあるそうです。穴居住居跡や古代の部族族長が葬られた古墳からは朱の顔料が発見されており、祭祀時などに朱を用いる習慣がすでにあったようです。 |
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曙色(あけぼのいろ) 明け方の空の色のような浅い黄赤色を言う。「東雲色(しののめいろ)」とも言われる。 |
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猩々緋色(しょうじょうひいろ) コチニールという虫の赤にやや黄色味を加えたような赤色。猩々は猿に似た中国人の間で伝わる伝説上の動物で、その血はもっとも赤いとされています。 それに由来し鮮明な冴えた赤を言います。戦国時代の武将の好まれた赤で、南蛮船でこの赤で染められた羅紗が輸入されるようになると、武将達は陣羽織と呼び好んで羽織るほうになりました。 「羅紗」は毛織物に由来するポルトガル語からきており、オランダ人やポルトガル人が着用していた裾の長い袖なし羽織です。黒をベースに猩々緋の赤と金でアクセントに配色されたゴーシャス感のあるものが主でした。コチニールで染めたという説と、地中海産貝殻虫のケルメス染めであるという説があります。 |
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真朱色(しんしゅいろ) 天然産の良質の朱砂の色のような、黒味の濃い赤色を言う。「銀朱」より深み、品位がある。 |
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蘇芳色(すおういろ) 青みの濃い赤。インド、東南アジアに生育する豆科の喬木で、その芯材が染料となる。正倉院にこの染木がある。 |
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一斤染色(いっこんそめ) 赤みのうすい紅色。紅花一斤(約600g)で絹一疋を染めた時の色を言います。この色を試し色として、此れより濃い色を「禁色(きんじき)」、淡い色を「聴(ゆる)し色」としました。平安時代には禁色(きんじき)は身分の高い人しか着用が許されず、聴色(ゆるしいろ)は良しとされていました。一斤染めは聴色の上限で、これより淡い色は良しとされました。 |
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石竹色(いしたけいろ) ナデシコ科の石竹の花の色、唐撫子からきている。 |
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中紅(なかべにいろ) 紅色の標準的な色。紅花から製造した片紅で染めた中程度の濃さの紅色を言います。平安の頃にはなかのくれないとも呼ばれました。 |
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退紅色(あらぞめいろ) 淡い紅花染で褪(さ)めた紅色。洗い晒したような紅花染めで、9世紀頃には「洗染:あらいぞめ」という色名であったとも言われます。 紅花の搾りかすで染めたか、または故意に浅く染めたのか定かではありませんが従者など低い身分の着用に対しては、同じ色でも「たいこう」とよんで区別しました。 「延喜式」では、韓紅染め、中紅染めについで、薄い紅花染とされています。
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鴇色(ときいろ) 鴇は全体には白色ですが、翼の内側などに見られる淡紅色をさします。「朱鷺色」とも書き、江戸時代には「鴇羽色」と書いたそうです。日本の鴇は今や絶滅した幻の鳥ですが、江戸時代にはどこにでもいた鳥のようです。昔の人はこの鳥の飛ぶ姿を仰ぎ見て色名をつけたと考えられます。紅花に紫草の根で薄く染め、やや紫味をかけた、パステル調のピンク色。若い娘の着物にはかかせない色でした。 |
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甚三紅(じんさもみ) かすかに黄味を含んだ中程度の濃さの紅赤色を言う。西鶴の「日本永代蔵」の中で、桔梗屋甚三朗がこの「紅を使わない紅色」の染法の発明に成功し、長者になったときのいきさつが書かれています。紅花の代わりに茜又は蘇芳を用いました、粉紅(まがいべに)とも言われます。代用紅染め。 |
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黄蘗色(きはだいろ) 抜けるような鮮やかな発色の黄色です。日本古来の染料で、奈良時代の写経の紙にも黄蘗染めのものがあり、防虫のために染めたものと思われます。 黄蘗はミカン科の落葉樹の高木で、深山に自生する植物です。その樹の内皮の黄色のあまりの鮮やかさから、染料として用いられたとされますが、以外に単染めではなく、下染めとされることが多いようです。黄蘗の内皮の煎じ汁と灰汁で染めます。 |
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黄丹色(おうたんいろ) 冴えた赤橙色。古代朝廷の時代より皇太子の礼服として制定されていた。曙の太陽の色を模して、支子の下染めに紅花を上掛けして染めました。 天皇が神事に用いた白につぎ、紫の上に位置する禁色の位の高い色でした。 |
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栗梅色(くりうめいろ) 栗色がかった濃い赤茶色を言います。マロン色に近い色合いで、茶系の中でも明るい色合いです。栗色と言うと日本では一般的にコーヒーブラウンのようなコクのある茶系の色をさしますが、その茶に秋の紅葉の赤を吸わせた様な秋の中間色。栗梅に類する色に「栗皮茶」がありますが、これは「栗梅」より黄味が強い茶色です。 控えめな色として、紬や小紋などに配色されますが、金糸の刺繍、箔使いなど彩をそえれば、たちまち上品な華やかさが増し、帯や色留袖の色にとしても使われます。 |
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山吹色(やまぶきいろ) 花にちなんだ黄色系の色名としては比較的古く、平安時代から親しまれている色です。山吹の花の色のような、冴えた赤みの黄色で女郎花色よりも赤みがかっており、「マリーゴールド」、「黄金色」にも近い色です。「山吹」はバラ科の落葉低木で、小ぶりで可憐な花を咲かせます。 イギリスではジャパン・ローズとも呼ばれ、日本の花と言う印象が強くもたれているようです。もともと野山に自生する植物ですが、その花の愛らしさからか、観賞用に軒先に埋め込む人が今も多いようです。 |
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黄櫨染(こうろせん) 蘇芳系の赤みを含んだ黄褐色。櫨の木の若芽の芯の部分の「黄」の下染めに、蘇芳又は紫根を上掛けしてだした色。太陽の色を象徴した色で、日の光によって赤褐色にも見えます。弘仁11年(820年)に天皇の礼装の色とされ、天皇以外は、用いることの出来ない「絶対禁色」とされました。 大変微妙な染色なので、暦代天皇の御衣でも、同じ色に見えることはほとんどないということです。 |
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黄朽葉(きくちば) 「朽葉色」から分化した色の一つで、黄ばんだ銀杏の葉の色のような黄褐色、山吹色に茶をかけたような色あいです。「源氏物語」にも「朽葉のうすもの」との記述があります。「朽葉」とはかなさと、もののあわれを感じさせる韻を踏んでいるようです。洋名では、オールドゴールドに近い色。 落ち着きの中に明るさがある色です。この色をぐっと濃くすると、黄枯茶という言葉になり、テラコッタのような濃い色合いになります。刈安をベースに染められたようです。 |
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櫨染(はじぞめ) 山櫨の黄色い心材の煎汁と灰汁で染めた深い暖味の黄色を言う。 |
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女郎花(おみなえし) 山野に自生する多年草の女郎花の花の色を模した“緑味の冴えた黄色”を言います。女郎花は多年草で、秋の七草のひとつです。 |
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刈安色(かりやすいろ) やや緑にくすんだ黄色です。山野に自生する草、イネ科の多年草でススキに似ている植物です。刈り安いことからこの名がついたようです。 日本でも古代から存在する伝統的植物染料のひとつで、10世紀の「延喜式」でも重要な染料として記されています。刈安の草を細かく刻んで作った煎じ汁に、椿の灰汁やミョウバンで染めます刈安は他の染料と掛け合わせて使うことも多くあります。 |
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菜の花色(なのはないろ) あぶら菜の花色のような、明るくクールな黄色を言います。歌に詠われるような一面の黄色い菜の花畑が日本の風景として定着したのは、油菜から出来た灯油を大量に消費するようになってからの、ごく近世のことです。菜種油色という言葉のほうが歴史的には、古くからあるようです。菜種油色はオリーブ色に近い色で別色です。 |
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楊梅色(あせんいろ) 亜熱帯性の植物で日本や中国に生育している。木の皮に色素があり、これが明礬、又は椿の灰で黄色に発色する。 |
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玉子色(たまごいろ) 古代から中世にかけては、卵の殻から想像される鳥の子色のような黄白色が定着していたようですが、近世では卵の中身の色に意識がむけられ、卵色と言うと中の卵黄部分をさし、玉子色=やや赤みがかった明るい黄色と言うイメージになってきました。卵が日常の食卓に上る事が一般化してきたことを示していると思います。江戸時代にはいると鳥の子色は気取りすぎた言葉として、一般庶民の間では使われかったようです。 |
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丁字染色(ちょうじぞめいろ) 淡い茶色。丁字はフトモモ科の常緑樹でそのつぼみが丁の字に似ているので丁字と呼ばれています。原産地はインドネシアのモルッカ諸島。 中国では紀元前3世紀の前漢の時代、香料として使用されていたようです。日本でも平安時代にはすでに染料として定着しており、装飾、虫除け、漢方薬としても重宝されていたようですが、特に香料として知られていたようです。丁字をこく煎じ出して、その汁で染めた色を言います。本染めと代用染があり、本染めのほうは、丁花の蕾と少量の灰汁と鉄分を用いた濃い褐色。 平安時代にはこれで染めると芳香が紙や布に移るので、「香染」、「濃き香」、或いは「こがれ香」と呼ばれました。英名では「グローブ」、この呼び名は現代でも良く知られています。
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深支子(こきくちなし) 紅花と支子の交染の黄橙色を言います。 |
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柿色(かきいろ) |
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洗柿(あらいがき) 洗われてうすくなった柿色と言う意味で、浅くくすんだ橙色を言います。さらに薄くなると、「洒落柿」となります。この色名は比較的新しい、近世からのものと思われます。 |
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洒落柿(しゃれがき) 下染を梅にて染めて、その上に石灰を水で解いて、それにつけておくと梅の上色の赤みが抜けてされ色(晒柿・・・洒落柿)になる。「洗柿」より更に淡い柿色を言う。 「洒落柿」より少しうすい「柿色」を、薄柿色(うすがきいろ)といいます。 |
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赤白橡(あかしろつるばみ) 薄い黄赤色。上皇が着用する色として禁色とされていました。櫨(はぜ)の木の煮汁で黄色く下染した後、うすく茜の赤を上掛けして染めます。 延喜式に黄櫨九十斤に対しわずか茜色七斤を加えたとあります。赤白橡という色名ではありますが、実際、赤白といっても黄色に近い色で、橡の実も染料として入っていないようです。 |
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梅染(うめぞめ) 梅屋渋(梅木の煎汁に榛皮の煎汁を加えたもの)で浅く染めた赤みの淡茶色を言う。 |
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支子(くちなし) 支子(くちなし)の実で染めた暖味のある黄色を言う。「言わぬ色」と呼ばれることがある。支子の実が赤く熟したときの色をさす。 延喜式によると紅花で染めたのち、支子をかける。 |
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菜種油色(なたねいろ) 菜種より搾り取った、菜種油のような、緑みの深いくすんだ淡黄色。オリーブ色よりも若干淡い色をいいます。江戸中期の頃には、菜種油は日常生活の 灯油として定着し、油といえば菜種油のことをさしていたようです。 |
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藁色(わらいろ) 稲を乾燥した藁の色の、鈍い中間色調の黄色系の色を言う。 |
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薄香色 手に馴染むような暖かさをもつ和紙の色合い。麻糸の入った生成り色味の強い白茶。古代より丁字や沈香、伽羅(キャラ)などの香木の煮汁を用いて染めた染色を香染め、その色を香色といいました。仏教とも関係が深く、僧衣としても馴染み深い色でした。しかし実際の香色は地味で目立たず、今日の「段ポール」そのものの色です。そこへいくと 薄香色は色名のもつ美しい響きと呼応するように、薄桜色の紅を抜いたような匂う様に上品な色です。 |
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白茶(しろちゃ) 古代染「香色」(淡香)に類する、ごく淡い茶色を言います。黄味がかったものと赤みがっかたものとがありますが、一般には亜麻色を薄めたような生成り色をさします。正確に言うと生成り色よりもやや沈んだ色。情緒のない表現ですが、ダンボール紙を薄くしたような色といえばお分かりいただけるとおもいます。利休白茶と呼ばれる表現がありますが、これは白茶に微量のオリーブ色を加えたような色合いをさします。 |
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唐茶色(からちゃいろ) 浅く赤みのかかった、くすんだ茶色。江戸時代も初期、中国では明から清に王朝が移行する時代でした。この頃、中国渡来品または、中国風の物には「唐」の文字を付ける傾向がありました。唐からの渡来品というと、「新しい」、「美しい」と言う意味あいも含まれており、唐茶色は当時の旬の色だったことが推測されます。当時の粋な流行色名には、掛け言葉、洒落、語呂合わせ、当て字、読み替えなど、言葉遊びが多く、一般庶民の風俗、ユーモアなどが感じられます。蘇芳に茶の茎や葉の煎汁で染めて色をだしたと思われます。 |
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煤竹色(すすたけいろ) 煤けた竹の色に似た、やや黄色味がかった暗い茶色を言います。天井や屋根裏など煤払いをするのに、先に枝葉のついた竹を用いました。 この煤竹に似た色を煤竹色と呼びます。庶民の暮らしから出た名前で、江戸時代前期に流行しました。煤竹色より明るい色を「銀煤竹」、緑がかったものを「柳煤竹」、藤色がかった煤竹色を藤煤竹(ふじすすたけ)、と呼びました。着物の裏地としても良く使われた色です。 |
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朽葉色(くちばいろ) 朽ちた落ち葉の色に似た褐色の、黄橙色に近い色。しかし「朽葉四十八色」と言われるほど色数も豊かで古代より親しまれていた色名であると思われます。平安朝の「もののあわれ」の美意識の中核をなす色名のようです。朽葉色系の名前としては、他に「赤朽葉色」、「黄朽葉色」、「青朽葉色」等があります。 似た色名に「枯色」(黄褐色)という言葉がありますが、それとはまた違って、秋特有の哀愁漂う色名です。 |
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金茶(きんちゃ) レモンティーのラペルに使われるような浅く黄色味がかった茶色で、黄金のような黄褐色を言います。派手な色ではありませんが、絹の光沢が合わさると、華やかで明るい印象の色になります。日本の織を代表する黄八丈刈安の灰汁媒染、沖縄の首里絣にこの色が品良く効果的に使われています。また帯の色としても良く使われ、中でも金糸使いのように見せかけ、金茶色を織り込んで重厚感を持たせた帯をみかけます。金糸、箔使いの帯よりも、やや落ちいた渋めではありますが、コーディネートしやすくお着物全体を、華やかに見せてくれるようです。 |
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蒲色(かばいろ) 水草の蒲の穂に似た褐色味の橙色を言う。「樺色」とも書く。 |
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弁柄色(べんがらいろ) 顔料の「紅柄」の色に因んだ、濃い赤みの褐色。顔料の土中の鉄分が酸化して赤くなった部分から作られた色。古代は朱と混用されました。洞窟壁画や町家の格子などによく見られ、特に江戸時代には天然の弁柄色の赤土を壁に塗り込んだ建物が盛んに作られるようになりました。ベンガラとはインド東部のベンガルに由来する当て字で、戦国時代末〜江戸時代にかけてこの呼び名が入ってきました。江戸時代になると国産の弁柄が作り出せるようになり、鉄丹呼ばれました。弁柄は「紅殻」とも書きます。 |
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憲法染(けんぽうぞめ) 剣豪吉岡憲法の創案した黒茶色。江戸時代初期の兵法師範吉岡憲法が明人の法を伝えたとされる黒茶染を言います。この一門は宮本武蔵に敗れることとなりますが、江戸時代は染めの匠として、京都西洞院四条に工房がありました。個人名を立てたブランド色としては日本では初の発想かもしれません。「吉岡染」とも呼ばれ、江戸時代を通じて小紋の地色などに用いられるなど広く知れ渡っていたようです。楊梅の鉄発色。今はもはや使われない色名ですが、こんにちでも言葉に強いインパクトが感じられ、当時一世風靡した時代の感性の良さがうかがわれます。 |
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檜皮色(ひはだいろ) 檜の皮の色のような赤褐色を言う。 |
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芝色(しばいろ) 奈良時代の文献に見られる古い染料で、栗、檪、樫などの材木に含まれるタンニン酸で染めた茶色をさしている。 |
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阿仙色(あせんいろ) インド亜熱帯に生息する豆科の植物。タンニン酸が主成分で濃い茶色が得られる。奈良時代から輸入、染料と生薬に。 |
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媚茶(こびちゃ) 濃い黄味の褐色を言い、昆布の色に似ていることから、「昆布茶」と呼ばれ、それから転じた名前だと思われます。現代ではあきらかに緑ではないかと思われる色も江戸時代には無理矢理でも茶色と呼ばせていました。それは、茶色と鼠色などの渋めの中間色が江戸時代には最も粋な色としてもてはやされ、「四十八茶百鼠」という言葉があるほどでした。 |
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千歳緑(せんさいみどり) 仙斎という人が考案した染色なのでという説と、・・古木の松の濃く暗い緑を言う。千歳は長寿を願うという縁起かつぎの言葉。 江戸時代には年配者向けの色だったようです。 |
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若竹色(わかたけいろ) 若い竹の幹ような、明るく青みをおびた緑。初夏、その年に生えた新しい竹の皮が剥がれて、美しい緑色を見せた色をいいます。藍と刈安で若竹の色を表現しました。 他に青竹、老竹といった表現があり、青竹色は若竹に淡い青を上掛けしたような色、老竹色は青竹をくすませた色です。竹の成長過程でいうと、若竹、青竹、老竹という順番。 特に青竹は「青」とも「緑」ともとれる色合いですが、分類わけするならば「緑」に属する色だと思われます。竹色系の呼び名はさほど古いものではなく、江戸の終わりから明治、大正と科学染料が日本に入ろうとしていた時代に生まれた言葉です。 |
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青丹(あおに) 青とつきますが、実際は、緑系の色で「暗く鈍い黄緑色」、松葉色を濃くしたような色合いです。もともと顔料や化粧料の黛に用いた青土のような、岩緑青のことを言いましたが、後に濃い青を染めた上から黄色を重ね染めして色をだしました。丹は土、つまり青丹は岩緑青をさします。襲(かさね)の式目にも、青丹という式目があります。 |
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海松色(みるいろ) 暗い黄緑色を言います。浅海の岩に付いている緑色の藻の一種、「海松」の色。昔から海藻としては「むるめ」「みるな」の名で親しまれていましたが、この色名が広く定着したのは、江戸時代にはいってからのことです。主に高齢者向けの色でした。 |
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遠州茶(えんしゅうちゃ) 江戸時代前期の茶人で造園家として知られる小堀遠州が愛用した織物の地色で、鈍い赤みの橙色を言う。 |
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江戸茶(えどちゃ) 江戸を冠して、新趣向の茶であることを強調した濃い赤褐色で、後には「当世茶」と呼ばれている。 |
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栗皮茶(くりかわちゃ) 栗の実の皮にみられるような暗い赤褐色を言う。「栗皮色」、「栗色」とも言う。 |
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雀茶(すずめちゃ) 雀の頭の色(「雀頭色」)のような赤黒い茶色を言う。 |
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百塩茶(ももしおちゃ) 回数を多く染浸す意味で、何回も染重ねた濃い紫褐色を言う。「羊羹色」とも言う。 |
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煎茶色(せんちゃいろ) 煎じ茶の煎汁で染められる煎じ茶の色のような黄褐色を言う。「煎じ茶染」とも言う。 |
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砺茶(とのちゃ) 砺とは、金物の砥ぎはじめに用いる「はやと」とよばれる砥石のことで、「砺茶」はその色に因んだ茶褐色を言う。 |
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鶸色(ひわいろ) 緑がかった黄色。秋に良く見られる鶸どりの羽色の冴えた色です。鎌倉時代の狩衣の色に鶸色があるとの記述があるようですが、平安の頃までは動物を色名にすることはほとんどなく、この色名は、中世以降に出来たものと思われます。やや薄い緑色に藍をうすくかて、染めていたようです。 |
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利休茶(りきゅうちゃ) 抹茶と焙じ茶をたして2で割ったような色で、黄味の鈍いオリーブ色を言います。ディープ・グレイッシュ・オリーブ。色名の頭に利休と言う名前が付くと緑味ある錆びた色合いであるとイメージが出来ます。江戸時代には特に好まれた茶系の色。本来利休色とは黒味をおびた薄い緑色で洋名では、グレイッシュ・オリーブに似た色を指します。侘び茶の湯の大成者、千利休のたてる抹茶の色から連想されて出来た色名です。茶道の世界でさす色と一般社会でいわれる色名とでは若干その色彩が異なるようです。一見地味に見えるこの色合いも着物の地色とすると控えめながら上品な色合いとなります。 |
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青朽葉(あおくちば) 「朽葉色」の系統で、「赤朽葉」、「黄朽葉」に対し緑味の「朽葉色」を言う。藍と刈安色を掛け合わせて染めた。 |
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櫨染色(はじぞめいろ) 山櫨の黄色い心材の煎汁と灰汁で染めた深い暖味の黄色を言う。 |
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黄橡色(きつるばみいろ) あっさりとした黄褐色。楢、檪、樫などの実(どんぐり)や雑木の皮などで染めた茶色を、一般に橡色(つるばみいろ)といいます。大きく分けて黄橡色、黒橡色に分かれ、黄橡色は灰汁媒染によってそめた黄色味の強い茶色です。黒橡色が身分の低い使用人の服色だったのに対し、平安時代には紅に次ぐ高位の色とされていました。 |
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山葵色(わさびいろ) 清流にしか育たない山葵、その根に因んだ色名を言いますが、その刺激の強い味と舌触りの爽やかさに似合わず、実際の山葵色は、より青みのあるマイルドな色です。 高麗青磁にも似た色で、落ち着いた黄味をおびた薄緑色。高麗青磁は中国青磁よりも濃く黄緑がかった沈んだ色。しかし素朴な中にも深みと気品があり、目に馴染む温かみのある色合いです。 |
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青磁色(せいじいろ) 磁器の青磁の肌色のような、浅い緑味の水色を言う。しかし実際の「色」は青磁器の色よりも濁りのない青白い色です。唐の時代、中国で作られた青磁の器は天子に献上され、臣下の使用が禁じられたので、「秘色(ひそく)」とも呼ばれていました。「青磁色」のさびて、灰味を含んだ色を錆青磁(さびせいじ)と呼びます。青磁色の洋名はセラドン。 |
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緑青(ろくしょう) 孔雀石の緑の部分。「苔色」をやや深くくすませたような緑で、古くから陶器、装飾品に着色されてきました。孔雀石は緑の顔料を作るための代表的鉱物です。 天然の緑青は古代中国、エジプト、ギリシャなどで使用された最古の緑色顔料。孔雀石の粉末に水を加えて強く研ぎ、上層に浮き上がる細かい粒子を白緑(びゃくろく)、中層にたまる粒子を中緑、下層にたまるものを緑青と言います。白緑は白っぽい粒子が細かく滑らかな緑青。 |
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白群青(びゃくぐんじょう) トルコ石、ターコイズブルーの不透明な青。日本画では海を表すのに群青色が使われます。白群青は群青色を淡く薄めたような色。空色よりもやや濃い色をさします。独自の気品を放つこの色は、装飾品、特にアクセサリーにもアクセントとして良く使われ、としても人気があります。トルコ石は12月の誕生石ですが、色のイメージとしては夏。原産地は主にイラン、ニューメキシコ、イスラム、モスクのタイル壁画、アメリカの先住民族の手作り民芸品に特徴的に使われています。ちなみにターコイズグリーンとはトルコ石にやや黄味のある緑を足したような色合い。初夏の若竹色を濃くしたような近い色合いです。 |
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青鈍(あおにび) 「鈍色」に藍を淡く重ねた、青みの暗い灰色を言います。主に藻の色として用いられていたようです。平安時代の頃は鈍色に青花(露草)を重ねて色を出していたようで、近世の青鈍よりもやや軽い色だったと思われます。 |
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鉄御納戸(てつおなんど) 鉄は暗い緑味の青色。納戸は暗い青色をさすから、暗い緑味の青を言う。 |
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紺青色(こんじょういろ) 岩絵具の紺青の色のような、冴えた紫味の青色を言う。 |
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紅碧(べにみどり) かすかに紅味を含んだ空色を言う。「紅掛空色」とも呼ばれる。 |
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紺桔梗(こんききょう) 「桔梗色」を紺がからせた、濃い青紫色を言う。 |
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鉄紺色(てつこんいろ) 濃い藍染の青みがかった紺色。焼いた鉄の肌のような色というところからきた色名。 |
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茄子紺色(なすこんいろ) 茄子の皮のような紫ものある紺色。紺色より紫に寄ったくらいの深い青紫です。ナスは日本で栽培される代表的な夏野菜ですが、7〜8世紀にかけて日本に伝えられたものと考えられます。「紫紺色」とほぼ同色です。英名でも同色を[egg plant:なす]と呼ぶようです。 |
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桑の実色(くわのみいろ) 熟しきった桑の実の色のような暗い赤紫色を言う。「桑染」とも呼ぶ。 |
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藤鼠(ふじねずみ) 藤色を鼠がからせた柔らかい青み紫を言う。「新駒色」ともよばれた。 |
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藤色(ふじいろ) 藤の花のような浅い青みの紫で、「若紫」とも呼ぶ。 |
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二藍(ふたあい) 鈍い青紫色です。藍の上に紅花で染めて紫にする染めで、「二藍」は藍がふたつという意味。 染め方を呼び名に使うのは平安時代からある色名としては珍しいものです。二つの藍とは「紅」と「藍」をさします。紅色は呉の国からきた藍と言われており、「呉藍」という呼び名でも知られています。源氏物語の「空蝉」に、“白きうすもの単かさねで、二藍の小袿だつ物、ないがしろに着なして”という記述があります。 光源氏が遠い場所から二人の女を覗き見している場面で、二藍の衣を着る空蝉を識別できたと言うくだりの表現です。 当時から貴族のあいだでは定着していた色名であったことがうかがわれます。 |
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紫苑色(しおんいろ) やや青みをおびた薄紫色。「しおに」とも言います。紫苑の花の色のような、紫草からとれる染液で何回も繰り返して染められる紫色。 紫苑とはキク科の多年草で、秋に薄紫の素朴な花を咲かせます。旧暦の6月〜9月頃まで用いられた秋の狩衣の色でもあります。 |
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滅紫(めっし) 暗い灰紫色を言います。「けしむらさき」とも呼び、高温で染めることにより紫の色味に渋い鈍味を出した色です。 色を表現するのに「滅」という修飾語はよく使われますが、「くすんだ」「灰味のある」と言う意味合いがあります。「外出着の色」とされていたようです。 |
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深紫(こきむらさき) 紫根、灰汁、酢を用いて染めた、濃い紫色を言う。衣服令の定めによると、臣下最高位の色で「禁色」としていた。「こき色」と呼ばれた。 |
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薄色(うすいろ) 薄紫色。薄色といえば何色に限らず、淡い色をさしますが、色名上の「薄色」は淡い紫のことです。紫草の使用量は「深紫」の6分の1。 紫色が淡いので「聴色(ゆるしいろ)」とされていましたが、それなりの格式のある色でした。 |
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半色(はしたいろ) 紫根染めで表された紫の中間色。「半」は中途半端の意。「延喜式」の染め方の規定による色位の紫からは外れてた半端な色ということで、禁色の制約からは外された色でした。といっても平安時代にはそれなりに社会に浸透した色名だったようです。深紫と浅紫の中間の、中紫より淡く、薄色より濃い色を言います。 |
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中紫(なかのむらさき) 紫色は紫草の根を湯でぬらして揉みながらその表皮にある色素を出す。媒染剤は椿の灰を用いて発色させる。 |
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竜胆色(りんどういろ) 秋の野草竜胆の花に見るような柔らかい感じの青紫を言う。 |
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菫色(すみれいろ) 菫の花の色のような艶麗な、青みの冴えた紫を言う。 |
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紫(むらさき) 「本紫」と呼ばれる色です。紫根(しこん)と灰汁と酢による低温染の濃艶な紫色をいいます。紫根とは紫草の根でムラサキ科の多年草、シコニンという色素が染料となります。 紫草は日本には古くから存在する植物で、紫の花が群れて咲きます。現代ではほとんど野生の姿は見かけなくなりましたが、その昔は「武蔵野の紫草」といわれるほど、関東一帯に咲き乱れていたとのこと。平安時代の頃は主に関東、下総、常陸、下野の国からこの紫草を調達していたようです。染めるのに手間ひまと技術を要したためか、身分の高い貴族しか着用が許されませんでした。貴族社会では最高権威の象徴であるとともに、一方では優美な気品のある情緒豊かな色でもありました。 |
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竜胆色(りんどういろ) 秋の紫をモチーフにした、数少ない色名。 |
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菖蒲色(あやめいろ) 花菖蒲の花の色に見る冴えた赤みの紫色を言う。 |
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紅藤(べにふじ) 紅がかった藤色、即ち、赤みの淡い紫を言う。 |
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江戸紫(えどむらさき) 日本では貴族社会の頃より、紫草は各地で自生又は栽培されていましたが、武蔵野産がもっとも有名でした。しかし江戸時代に入ると、当時まだ新興都市であった江戸には上方に対抗できるほどの工芸技術や名物はなく、ゆういつ紫草を使った染のみが勝れるとも劣らぬものであったため、江戸紫と名づけ江戸の特色をアピールと思われます。京紫より青みが強く歌舞伎の色としても用いられるなどして、粋な色とされました。杜若の花の色に似た、濃艶な赤みの紫を言います。「杜若」とも同色系の色です。 |
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京紫(きょうむらさき) 伝統の染めの技法を受け継いだ赤みのある紫。京の都には昔から受け継がれてきた紫染めの秘伝があります。それが京紫です。江戸紫に対する色名として 江戸時代についた名だと思われます。華やかでな優美さを好む貴族社会では紫は常に羨望の的でしたが、江戸時代になると、「今世は京紫を賞せず、江戸紫を賞す」と書かれるなどし次第に時代の変遷の中に埋もれていきました。 |
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古代紫(こだいむらさき) 紫根の根を材料として染める紫は今日の合成染料による彩度の高い紫を望むべきも無かった。 昔の鈍い色を「古代紫」と言った。 |
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紫根色(しこんいろ) 紫草の根に含まれている色素はそのままでは赤みを呈している。これで染めて乾燥させた赤みを帯びた深い紫を言う。 |
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葡萄鼠(ぶどうねずみ) 古代の「蒲萄」の色を鼠かからせた、鈍い赤紫を言う。 |
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蒲萄色(えびぞめいろ) 山葡萄の実が赤紫に熟した色。紫根と灰汁と酢で染めた赤みの紫色を言う。天武天皇の色制では、深・浅の二級に分けられている。 |
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淡蒲萄(うすえび) 「延喜縫殿式」の用法よると「蒲萄」は表示色のようになる。「淡蒲萄」は薄い方の「蒲萄」を言う。 |
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似せ紫(にせむらさき) 暗い赤紫色。高価な紫根の代わりに、蘇芳或いは茜を用いて染めた紫の代用染です。色味としては、江戸紫と京紫の中間色の色合い。紫根を用いる「本紫」に対するもので、本物に比べると品位は落ちるとされましたが、それでも庶民にとって、紫は憧れのまとでした。茶屋女でも紫の着物をきてみたい。井原西鶴は、伊勢参りの客の手引きをする、似せ紫に派手な赤襟をつけた茶屋娘を描いています。 |
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利休鼠色(りきゅうねずみいろ) 千利休が好んだといわれる緑がかった灰色。千利休自身がこの色を指定したわけではなく、後世の人々が利休好みを推測し、利休鼠と色名をつけたようです。 わずかに淡い藍色にねずみ系の色をかけたと判断して藍に刈安を上にかけて、鉄で発色した色です。 |
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灰汁色(あくいろ) 灰汁の黄味を含んだ灰色。黒灰を水に浸して沈殿させ、それをろ過して出来た上澄み液を灰汁といいます。灰汁は染色の媒染、糸や布の精錬・漂白にも使います。 江戸時代、灰汁は日常生活の洗剤として必需品であり、専門の売買業者が存在しました。色としての灰汁は上澄みを取る以前の濁った汁の色をさします。 |
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鶸茶(ひわちゃ) 「鶸色」の変相色で、緑味の鈍い黄色を言う。 |
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蒸栗色(むしくりいろ) 蒸した栗の中実の色に似た、緑味の柔らかい黄色を言う。 |
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利休白茶(りきゅうしらちゃ) 茶道で茶葉を利休と呼ぶ。利休は緑みを形容する意味があり、緑みを帯びた「白茶」を言う。 |
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生壁色(なまかべいろ) 塗り上げてまだ乾かない壁色のような、灰味の黄渇色を言います。しかし壁の色をさす言葉ではなく、あくまで染物の色名であって男物の色として好まれたようです。青みの強い「青生壁」、やや赤みのさす「江戸生壁」、緑がかった「利休生壁」など、その土地に含まれる元素の違いによって生壁色にもバリェーションがあり、江戸時代には「粋」な色として浸透していたようです。 |
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山鳩色(やまばといろ) 山場との羽色からきた色名。天皇の平時の袍の色とされ、禁色とされていた。 |
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海松茶(みるちゃ) 「海松色」を褐色がからせた、暗いオリーブ色を言う。 |
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木賊色(とくさいろ) シダ系の植物の木賊の濃い緑の色をさす。蓼藍と刈安であらわしたが、襲にもあり、表は黒青又は萌黄に、裏は白とある。 |
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白鼠(しろねずみ) 銀のような明るい、「墨の五彩」の「清」にあたる鼠色で、「しろがねいろ」とも言う。 |
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銀鼠(ぎんねずみ) 「白鼠」より少し暗い、「墨の五彩」の「淡」にあたる鼠色で、錫の色に似ているところから「錫色」とも呼ばれる。 |
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素鼠(すねずみ) 「素鼠」は何の色も含まない、「墨の五彩」の「重」にあたる中明度の無彩の色を言う。 |
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鈍色(にびいろ) 緑や茶の色味を持つ墨色よりも明るい灰色を言います。天皇の喪服の色も鈍色で、「錫紵」(しゃくじょ)と呼ばれていました。平安時代では、喪服の色として鈍色は一般的だったようです。平均寿命の短い時代だったので、鈍色も生活に溶け込んだ自然ないろだったのかも知れません。江戸時代以降には、喪としてのみではなく日常着としても徐々に浸透してきました。グレイとも黒とも表現のつかない微妙な色合いが時代を超えて、人々に親しまれてきたようです。橡の実とへたを煎じて染め、それをお歯黒鉄で発色して黒味の灰色に染めました。 |
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紅消鼠(べにけしねずみ) 紅の匂いを消した鼠色の意で、暗い灰味の紫を言う。 |
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青白橡(あおしろつるばみ) 刈安と紫根の交染による破色調の浅い黄緑色を言う。「麹塵」も同色と言う。天皇の平時の袍の色とされ、禁色とされていた。 |
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黒鳶色(くろとびいろ) 「鳶色(暗い赤褐色)」を更に暗くした色を言う。享保のころ黒や黒媚茶と共に小袖に流行した。 |
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墨染(すみぞめ) 「墨の五彩」の「焦」にあたる黒色に近い灰黒色を言う。 |
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檳榔子染(びんろうじぞめ) 熱帯地方に広く生育する檳榔子の実を染料として染めた黒褐色を言う。別名「檳榔子黒」。 |
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黒紅(くろべに) 紅色に檳榔子の黒をうわがけした、赤みの紫黒で、「黒紅梅」略して「黒」とも呼ばれる。 |
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濡烏色(ぬれからすいろ) 水に濡れて黒さを増した烏の色。乾いた表面は白っぽく、濡れると色が濃く黒ずんで見える、これが濡れ色です。濡羽色(ぬればいろ)とも呼ばれ、 紫味を含んだ黒といわれています。 |
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藍下黒色(あいしたぐろいろ) 江戸時代に流行した色名。黒を染める時、藍で染色し、五倍子のお歯黒鉄で黒く。黒の中に藍の底色を見る。 |
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留紺(とまりこん) 一見、黒にも見えるが、紺がかっても見える。そんな黒に近いほどの濃い藍染色。これ以上濃く染められないというところの一番濃い藍染色というところから 「留紺」と名がついたようです。紺屋(紺専門の染屋)の職人用語だったようで、この色を出すのは紺屋泣かせといわれ手間ひまのかかる作業でした。 |
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白練(しろねり) 白練は生絹の黄味を消し去る精錬法を言う。練った絹の色を言う。 |
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卯の花色(うのはないろ) 雪や白波に、よく用いられる微妙にみどりがかった白。卯の花とはユキノシタ科の落葉低木。日本各地に生息し、一般家庭の軒庭の生垣の植え込みとしてもよく見られます。卯月に花を咲かせることから卯の花と呼ばれるようになったという説や、幹が中空なので空木(うつき)という名前から卯の花となったという説などがあります。 俳句の世界では夏の季語とされています。 |
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鳥の子色(とりのこいろ) 鶏卵の殻の色のようなごく淡い灰みの黄白色を言います。今の卵の殻はほとんど白といってもよい色ですが、昔の卵は今よりもやや黄色味強かったと考えれます。 鳥の子とは雛の意味ですが、ここでは卵の殻をさしています。タマゴ色というと溶き卵の黄色っぽいイメージを持つのは近世の人間の特徴のようで、古代の貴族社会では外側の殻の色の印象のほうがつよかったのでしょうか。 |
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芝翫茶(しかんちゃ) 文化・文政年間、江戸、京、大阪を通じて人気のあった三世中村歌右衛門から出た役者色。彼の俳名は「芝翫」、後に「梅玉」に変わった。オールドローズ。 |
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路考茶(ろこうちゃ) 宝暦・明和の頃江戸中の人気をさらった二世瀬川菊之丞は路考という俳名で俳句を親しんだ。この役者が好んだ色。黄茶の黒味がかった染色を言う。 楊梅に阿仙の鉄で発色。 |
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梅幸茶(ばいこうちゃ) 安永・天明(1772〜1789)の頃、歌舞伎の大立者であった初代尾上梅幸の趣向による、灰味の淡萌黄色を言う。「草柳」も同色と言う。 |
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高麗納戸(こうらいなんど) 「高麗屋」が屋号の、天明から寛政(1781〜1800)にかけて歌舞伎界の大立者であった、四世松本幸四郎から出た、暗い「納戸色」を言う。 |
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舛花色(ますはないろ) 灰がかった薄い青色。安永・天明年間(1772〜1788)、江戸で人気のあった、五世市川団十郎が好んだ色です。古代の縹色は、中世になると花田色、 近世では花色と呼ばれました。舛花色の「舛」は市川家の家紋の「三舛」から来ています。市川家家芸の色には、「暫」の団十郎茶、花川戸助六の鉢巻の「江戸紫」があります。 |
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